昭和薬科大学 教員?学生 座談会

昭和薬科大学は教員と学生の距離が近く、
「勉強や学校生活について気軽に相談しやすい」という声を耳にします。
特に4年次から所属する研究室ではよりその距離が近くなり、
和気藹々とした雰囲気の中で専門的な学びが行われています。
そこで「医薬分子化学研究室」のみなさんに、昭和薬科大学ならではの特長について語ってもらいました。

目次

“座学でわからなかったことを
実感する日々”

私たちの医薬分子化学研究室では、医薬品が体の中でどのように効いているのか、効力発揮のメカニズムを解明するため、薬とタンパク質の相互作用を原子レベルで明らかにする研究に取り組んでいるけれど、みんなは約1年やってみてどうかな?

学びを深めるにつれて、「これはこのためにあったんだ」って、今まで勉強してきた分野がどんどん関わってくるのが面白いですね。

それは確かにあるよね。研究室に入らなかったら知らなかったであろう分野のことや、勉強ってこうして繋がっていくんだって学べたことは大きいですね。これまで物理や化学でやってきたことがちゃんと化合物を作るために必要だったんだとか、タンパク質もこういうことに使うんだとか、やっと意味が分かってきました。

私は有機化学がもともと苦手で、反応式を見ていてもいまいち理解できなくて「本当にそんなことがあるんだろうか、くっつくんだろうか」と思っていたんです。でも今は、温度や時間によって左右される、フラスコの中で起きていることをようやく実感できたというか。それは座学だけでは分からなかったことだなと思います。

それはすごく分かる。これまで試薬や式でしかなかったものが、本当にちゃんとできるんだってね。

もちろん今までも化学の授業などで装置の原理は勉強していたけれど、それをこうして実際に使う立場になって、もっと考えるべきことがいっぱいあるなと思います。

個人的には、繰り返しの操作をそれほど苦に感じるタイプじゃないので、実験が楽しいんですよね。失敗、成功じゃなくて、そういう作業が結構好きなので楽しみながらやれています。

薬学の研究は薄く広いので、教員よりも学生の方が分かっていることもあったりして、そういったところを研究や発表に取り入れることができるのが薬学部の卒論研究の魅力の一つと思います。高学年になると臨床現場に出ていろいろなことを学ぶようになって、その学びを実際に研究に役立てられるとより楽しくなってくると思いますよ。

“研究室は生涯の友を
作りやすい環境”

うちの研究室に来る学生さんは、比較的コミュニケーションを取ってくれる子が多いので教えやすいですね。積極的に教員の方に来てくれますし、分かることと分からないことはハッキリ言ってくれるので一緒に実験もしやすいですし。声のボリュームの問題はありますけど(笑)、分別はついているはずなのでやる時はやってくれるなと。

今はこんなに和気藹々とやっていますけど、最初は違ったよね?

そうそう。研究室に入るまでは面識もなくて、最初はバラバラだったからね。でも研究テーマが決まってみんなが個々に実験するようになってから、セミナー室に集まることも多くなって自然と話すようになったのかな。いつの間にかね。

研究室に入っていなかったら絶対喋らなかっただろうなという子たちばかりで、それが旅行に行くなんてね。でも旅行は間違いなくグッと距離が縮まって、いい意味で遠慮がなくなりました。

あの旅行で素が見えたよね(笑)。各々の癖も分かるようになって、今は一緒にいる時間が一番長いのは間違いなくこの研究室のメンバーだと思う。

研究室の在籍者数に関しては私立大学薬学部は特に多く、同学年が10人以上いるところも珍しくありません。それから、昭和薬科大学は4年次から(勉強の他)しっかり卒論研究もしています。卒業までの3年間の勉強と研究の時間を共有することになります。そういったことから、研究室で苦楽を共にした生涯の友ができる人が沢山いるのではと思っています。これは、卒後の大きなメリットだと思います。

そう言えば、あの旅行では「先生に聞く前に自分たちでなんとかしよう」っていう話もしたよね(笑)。先生たちみんな忙しいから、自分たちが持っている情報を一旦集めて考えて、それでも無理だったら聞こうって。

そうそう。最初は「先生、先生」って言ってたんですよ。でもそれじゃいけないよね、学ぼうよって。同じ4年生だけでも12人もいるんだから、誰かしら過去に聞いているだろう、知恵を出し合って自分たちで解決できることは解決しようって、最近はそのスタイルです。先生知っていました?

知らなかったですね(笑)。でも自分自身の考えで行動して、積極的に失敗してもらいたいなとは常々思っていますよ。卒論研究においては、必ずしも最短ルートがいいわけではありません。無難な平地を行くより、ルートが定まっていない山に挑戦する方がたぶん鍛えられますよね。それと同じで、自分の考えで行動して失敗するという経験を沢山積んで欲しいなと思ってます。

“体育祭では
先生にパイ投げも!?”

先生との距離という意味では、秋の体育祭で割と縮まった気がしますね。

体育祭は研究室対抗の競技もあるので、それに先生たちも参加されて交流できたというか。先生たちもやる気があって楽しいんですよ。去年の障害物競争は、最後の走者がその前の人からパイを投げられた状態で完走するというルールだったんですけど、大橋先生が自ら「私がパイを投げられる役をやる」って言ってくださって。さすがに先生にパイを投げるわけには……と思っていたんですけど、「行くなら思いっきり」と言われたので行かせていただいたところ(笑)、1位を取ることができました!

みんないつも元気がいいですよね。だからこちらも話しやすいですし。それにこちらが教わることも多くて、自分では気が付かなかったことを指摘してくれたりもするので、私もいろいろと学ばせてもらっています。自分にはない考え方や見方、解釈を気付かせてもらえる環境ではないでしょうか。

研究室には、同級生と教員という関係だけでなく、同じ装置を使っている先輩や似たような研究テーマに取り組んでいる先輩後輩という縦の繋がりもありますよね。

そうなんですよ。ちょっと困った顔をしていると、すぐに「どうしたの?」って聞いてくれる先輩がいたり、質問したら自分で作った手順書を印刷してくれる先輩がいたり。皆さんとにかく優しくて、私ももうすぐ後輩が入ってくるので困っていたら助けてあげようと思っています。

“卒業までずっとこのメンバーで
切磋琢磨していきたい”

最後に今後大学でやりたいことは?

私はタンパク質と有機化学どちらもやりたくてこの研究室に入ったけれど、今はまだ有機化合物しかやっていないのでなんとかタンパクに食い込みたいなと。在学中にとりあえずそこまで行くのが目標です。

私も今はまだ土台みたいな元を作っている段階で、それを使って結晶化などをやるので、卒業までに結晶化に進みたいなと思っています。

研究の面では、目的としているものを作ってしっかりと卒論を書きたいですね。あとはクラブ?サークル活動でテニスをやっていたんですけど、コロナ禍で実質活動できたのはほんのわずかなので、卒業までにまたやりたいですね。

自分も体を動かすのが好きだから運動かな。また体育祭に向けて頑張りたいですね。

私は夏が来たら流しそうめんとスイカ割りかな(笑)。これから実習などでみんなの予定が合いづらくなるけれど、卒業までずっと変わらずこのメンバーで切磋琢磨していきたいですね。